生理食塩水の威力

投稿日:2015年1月6日

カテゴリ:医院ブログ

よく消毒というとアルコールとか殺菌成分のあるものが連想される。ただあまりに効果があると生体の治癒能力を阻害することがある。

例 えば、抜歯後に骨が露出するドライソケットという状態は一定の割合で起こる。特に下顎の奥歯を抜いた後、数日たってから痛みがでてくることが多い。大きい 場合は抗生物質含有の軟膏ガーゼを置いて対応するが、小さい場合は洗浄し、周囲から出血を促して、かさぶた(血餅)を作る。そのときに生理食塩水は有効で ある。さらに人の体温程度に加温しておくと、洗浄時の痛みもなく患者さんも楽である。数回洗うと、結構なスピードで回復してくる。やったことのない先生は 是非試してほしい。温めるというのがポイントだと思う。

アトピー性皮膚炎なんかも海に入ると治ることがある。自分も小さい頃アトピー気味 だったが、四国の田舎に帰ると不思議と治っていた。海も大きくとらえれば、生理食塩水みたいなもんだし、人間も海から来たというルーツを感じるところであ る。実際アトピーの海水療法もあるそうだ。

最近のバンドエイドなんかも自然治癒力を活かしたように改良されている。やっぱり自然治癒力は凄い。ただし、大きい虫歯や歯周病に自然治癒はないが。。。